みなさんお元気ですか?WiMAXMANIAXの管理人、高見沢です。
高見沢
90年代にインターネットが登場してからずっと、インターネットに関わる仕事をしてきました。
最初はダイヤルアップ接続からスタートしたインターネットですが、今ではすっかりモバイルが主流の時代。
iモードに始まり、3G、4Gとモバイル回線はどんどん速くなっています。
そしていま、なんといっても注目を集めているのは5G!
5Gとは第5世代移動通信システムのことで、4G(LTE)に次ぐ新しい無線通信規格です。
5Gを取り巻くニュースが世間を賑わせていますが、この記事では改めて5Gに関する基礎知識と、世界に目を向けた最新ニュースをお届けします!
ケンジ
そもそも5Gとは?
数字のうしろに付いている「G」は、移動通信システムの世代をあらわす単位のこと。
無線通信の標準化と規制の確立を図るために設立された機関である、国際電気通信連合という機関が定めています。
高見沢
現在日本で使われているモバイル回線は主に、大手キャリアで使われているLTEと、WiMAX専用のモバイル回線であるWiMAX2+の2種類
このふたつは4G(第4世代移動通信システム)に認定されています。
3Gの前には、1Gや2Gの時代もあったんですよ。
5Gの規格内容についてはまだ協議中のためしっかりとは決まっていませんが、簡単に言うと、4Gよりも
- 通信スピードがかなり速い(10Gbps以上を目標)
- 一度に可能な通信量がすごく多い(10Gbpsが叶えば1秒に10GB)
- 通信遅延がほぼない(1000分の1秒以下)
という、スーパーすごいモバイル通信規格になる予定なんです。
スマホの普及、インターネットにつながる家電の急増、自動運転システム、遠隔医療などなど、近年の通信量の増加は凄まじく、5Gの実用化は急務だと言われています。
そのため、世界各国、あらゆるメーカーが、5Gの研究・実験に取り組んでいます。
もちろん日本も例外ではなく、大手キャリアのドコモ、au、ソフトバンクを中心に、総務省や他メーカーとも協力しながら5G実用化に向け着々と動いているんです。
高見沢
実はアメリカでは去年2018年の秋から5Gがスタートしているんだケド・・・
ケンジ
高見沢
アメリカで始まった5Gは日本の4Gレベル
アメリカでは、業界1位のベライゾンが2018年10月から5G通信のサービスを一般向けにスタートさせました。
高見沢
また、業界2位のAT&Tも、2018年12月から5Gのモバイルルーターレンタルを開始しています。
高見沢
詳細はこちらの記事に詳しく書いたのでお時間あるときにチェックしてみてくださいね。

ケンジ
高見沢
ベライゾンの発表によると、ベライゾン5Gの速度は最大940Mbps、平均値が300Mbps程度。
AT&Tの5Gの場合、理論値は1.2Gbpsと発表されていますが、実測値は未だ不明です。
そして驚くことにこの数値、日本のドコモのLTE(4G)と変わらない速度なんですね。
ケンジ
高見沢
僕としてはこの速度で5Gと言うのは違和感しかないけど、そこまで深掘りしないメディアがほとんどだから「アメリカで5G始まった!すごい!」っていうだけのニュースが多いのは残念だと思ってるヨ・・・
日本の5G技術の取り組みは?
日本ではドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアを中心に5G技術の開発が進められています。
すでに実証実験も始まっていて、ドコモでは2018年11月におこなわれた屋外実験において通信速度27Gbpsの実現に成功しています。
ケンジ
高見沢
auでは、自動車に受信端末を載せ、移動しながらの通信で3.77Gbpsを実現しています。
ケンジ
高見沢
でもでも、実測で1Gbpsは期待したいネッ★
5Gの課題である電波範囲を克服するために
まず知っておきたいこととして、4Gと5Gでは電波の種類が違います。
さらに細かく言うと、4Gと5Gでは利用する周波数帯域が違うのですが、周波数帯域の違いとしては
- 数値が低いほど遠くに広く届くが、一度に届けられるデータ量は少ない
- 数値が高いほど一度に届けられるデータ量は多いが、電波の範囲が狭い
といった特徴が挙げられます。
高見沢
ちなみに、ラジオやテレビはかなり低い周波数帯域(30〜300Mhz)を利用しているため、広範囲にまで電波が届くんですよ。
現在、4Gで使用している周波数帯域は700Mhzから2.5Ghz(=2500Mhz)です。
そして5Gでは、これまで使用してこなかった3GHzから39GHzを使用します。
上でも説明したように、数値が大きいほどたくさんのデータ量を送れるというメリットはあるものの、電波が届く範囲はとても狭くなってしまいます。
ケンジ
高見沢
ケンジくんの言う通り、どれだけ一度にやり取りできるデータ量が大きくとも、電波が届く範囲の狭さを解決しなければ快適なモバイル通信は実現できません。
だからこそ各キャリアでは、アンテナの性能を高めたり、ユーザーにピンポイントで電波を届けられる技術を開発したり、アンテナからアンテナへの切り替えをよりスムーズにできるよう改良したりと、さまざまなアプローチで5Gの弱点を克服すべく動いています。
高見沢
Massive MIMO(マッシブ マイモ)
100本以上のアンテナを設置することで、ユーザーひとりひとりに専用の電波を割り当てることができる。
ビームフォーミング
電波を細く絞って、特定の方向に向けて集中的に発射する技術。基地局と端末の間の電波干渉を減らすことで、より遠くまで電波を届けられる。
ハンドオーバー
通信しながら移動しているときに、次のアンテナへ自動的に切り替えること。5Gの電波が届く範囲は4Gと比べて狭いので、アンテナをスムーズに切り替える技術がより必要に。
ドコモが5Gをメインにスペインの展示会に出展
海外へのアピールも忘れてはいません。
日本国内の5Gに関する取り組みについて、しっかりとその技術力を世界へアピールしています。
例えば、2019年2月25日から2月28日までの4日間、スペイン・バルセロナで開催される世界最大のモバイル関連展示会「MWC19 Barcelona」。
この展示会にはドコモとNTTグループ各社が合同出展することが決まっていて、ドコモでは5Gをメインとした展示をおこないます。
現場では体験型の展示が多数用意されているとのこと!
下は予定されている展示内容の一部ですが、想像しただけでもワクワクします。
- 遠隔演奏|複数の拠点にいる演奏者を5Gでつなぎ、各演奏者がその場にいるような臨場感あふれるライブセッションを実演
- SCOT(スマート治療室)|高度医療をいつでもどこでも提供できる、5G時代の遠隔診療・スマート治療室モバイル「SCOT」の構想を紹介
- ジオスタ・サッカー|5GとAR技術により、競技の映像や選手の動きなどのさまざまな情報を自由な視点で楽しむ事が出来る、新しいスポーツの観戦スタイルの紹介
ケンジ
高見沢
中国では6Gの開発がスタート・・・?
さて、すっかり盛り上がっている5G界隈ですが、なんと中国ではさらに次世代の6G(第6世代移動通信システム)の開発がスタートするのではとのニュースも話題になっています。
China poised to kick off 6G R&D this year, officials say
Chinese engineers, policymakers already working on 6G push
中国は、政府主導のもと、2020年の早い時期に、6Gの開発および独自の定義と概要を検討するための準備を進める予定だ。
(中略)
6Gは5Gの10倍以上の速度を予定。これによって4Kフィルムを瞬時にダウンロードすることが可能になり、バーチャルリアリティの新たな時代が開かれることになりそうだ。
(中略)
中国メディアによると、中国政府は、6Gのために新たな帯域幅の提供も検討しているとのこと。
ケンジ
高見沢
いちユーザーとしては成り行きを静かに見守りましょ〜
最後に
この記事では、最近話題の5Gに関する基礎知識と最新ニュースをお届けしました。
ニュースでは5Gという言葉がひとり歩きしていますが、実情はさまざま。
アメリカでサービス開始に踏み切った2社もそうですが「それ5Gって呼んでいいの?」というような速度だったりしますが、それはまだ5Gの規格がしっかりと定まっていない以上、仕方のないことかもしれません。
ただ、理論値で10Gbpsという速度は世界的に見てもひとつの基準であることは覚えておいてくださいね。
一方日本では、大手3キャリアが粛々と5Gの開発に邁進中!
ドコモでは屋外実験で27Gbpsを記録するなど、その技術力の高さに期待が高まります。
高見沢
さすがに27Gbpsは難しいと思うけど、果たして実測値でどれくらいの速さが出るのか今から楽しみ〜!