はじめまして!高見沢です!
高見沢
ふだんから出張が多い僕。
移動先でいつでも快適にインターネットを使えたらいいのになーという思いでいろんなインターネットサービスを試しまくっていたら、
いつのまにか「インターネット博士」って呼ばれるくらい詳しくなっちゃいまして。
せっかくならたくさんのひとにこの知識を役立ててほしい!と、
本サイト「WiMAXMANIAX」では、WiMAXをはじめ、さまざまなインターネット回線について紹介しています。
ケンジ
高見沢
5Gとは、5世代移動通信システム
そもそもGとは移動通信システムの世代をあらわす単位で、国際電気通信連合という機関が定めている規格のこと。
4Gは第4世代移動通信システムと言い、大手キャリアで使われているLTEや、WiMAX専用のモバイル回線であるWiMAX2+など、
現在日本国内で広く使われているモバイル回線はほぼすべて4Gの規格に認定されています。
あまりなじみがないですが、1Gや2Gの時代もあったんですよ。
ガラケーを使っているひと向けにはいまも3Gが提供されていますが、その割合はすでにかなり低く、ほとんど4G通信が使われています。
2018年11月には、auが2022年に3G通信サービスの提供を終了すると発表したことも話題になりました。
現在、5Gの研究開発は世界中で進められており、日本ではドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアが中心となってその開発をおこなっています。
5Gの規格についてはまだ協議中のためしっかりとは決まっていませんが、簡単ざっくり言うと、4Gよりも
- 通信スピードがかなり速い
- 一度に可能な通信量がすごく多い
- 通信遅延がほぼない
という、スーパーすごいモバイル通信規格なんです!
5Gが必要な理由
4G(LTE)が登場した当時、通信スピードの速さにびっくりしたひとは少なくないのではないでしょうか。
現在の4Gの通信スピードはなんと、50Mbpsから1Gbpsに迫る勢い。
自宅では固定回線(光回線)を使っているひとも多いと思いますが、すでに海外では、固定回線を介したWiFiよりも4G通信(LTE)のほうが通信スピードが速いことも証明されているほど。
そして今後は、5Gの登場によって、ますます固定回線の優位性は低くなると予想されています。
ケンジ
そもそも5Gが必要な理由ってなんですか?
通信量の増加
「モノのインターネット」というめちゃダサい日本語に訳されることで有名な「IoT(Internet of Things)」。(いまさらですが「アイオーティー」って読みます)
ダサすぎるせいか死語になってる感もありますが、みんなわざわざ言わなくなっただけで、もはやすでに当たり前のものになっています。
いろんなモノがインターネットにつながっているうえに、それぞれが必要とするデータ量はどんどん大きくなるばかり。
さらに自動運転技術やVRといった最新技術は高速なモバイル通信ありきで開発されているほか
今後はさらに、いままでインターネットにつながっていなかったモノやサービスでさえも、インターネットを必要とするカタチへと変わっていくと予想されています。
ケンジ
音楽も動画も、もはやストリーミングが当たり前すぎて「いまモバイル通信してるわあ」って思ってもないですね
監視カメラやお店のレジなど、これまではインターネットを必要としなかったものが、最近ではネットにつながってるのが当たり前になりつつあったり。
ドローンやゲーム機など、インターネットと組み合わせて使うデバイスが次々に誕生したり。
フジロックのライブ配信のように、これまではリアルに足を運ぶことでしか体験できなかったイベントをインターネット上で疑似体験できるコンテンツが増えていったり。
とにかくここ数年は
- インターネットにつながるデバイス
- インターネットを利用したサービス
- インターネットを前提とした技術
が増えまくっているんですね。
もはや、だいたいなんでもインターネットにつながってる時代。
それってつまり、裏を返せばインターネットがないとなんにもできないってことでもあります。
ちなみに、2010年の頃と比較すると2020年のモバイル通信量は1000倍にもなると言われているほど。
実際、急増し続ける通信量は世界共通の課題としても挙げられています。
今まで以上にインターネット不可欠な時代を安心して迎えるためには、4Gよりも
- 通信スピードがかなり速い
- 一度に可能な通信量がすごく多い
- 通信遅延がほぼない
という次世代のモバイル通信=5Gが必要なんですね。
高見沢
1.通信スピードがかなり速い
5Gが目標とする通信スピードは、なんと
10Gbps以上!!
高見沢
bpsとは、「1秒間にどれだけのデータを送れるか」という数値をあらわす単位。
つまり10Gbpsだと「1秒間に10GBのデータを送れる」ということになります。
ケンジ
高見沢
理論値とは、「すべての条件がそろった場合の実現可能な数値」。
障害物もない、利用者も少ない、大気の状態も安定している、などすべての好条件がそろった状態なら可能という、現実世界では実現不可能な数値です。
ちなみに現在ドコモが提供しているLTEの理論値は988Mbps。
実測は140Mbps〜237Mbpsとなっています。
5Gの実測値は実際にサービスが始まってみないとわかりませんが、auの実証実験では3.77Gbpsを実現しているので、かなり期待できそうです。
高見沢
でもでも、実測で1Gbpsは期待したいッ★
2.一度に可能な通信量がすごく多い
4G(LTE・WiMAX2+)では、700Mhzから2.5Mhzの周波数帯域を使用しています。
ケンジ
KDDIの用語集から引用すると、
周波数帯域とは、電波の周波数の範囲のことで、電波の通り道のようなもの。周波数帯域によって特性が異なり、GHz帯のように周波数帯域が高いほど情報伝達量が多く、一度にたくさんのデータが送れる。一方、MHz帯のように低い周波数帯域は、電波が障害物の後ろに回り込んだり貫通したりでき、遠くまで届けられ、ひとつの基地局で遠方までカバーできる。
高見沢
現在、4Gでは以下のような周波数帯域が使われています。
ケンジ
日本での5G導入にあたっては3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯が候補にあがっており、大手3キャリアではすでにこれらの周波数帯域を使った5Gの実証実験を進めています。
低い帯域は障害物に強く、高い帯域はたくさんのデータを送れる
さて先ほど、周波数帯域によって特性が異なると言いました。
高見沢
- 周波数帯域が高いほど情報伝達量が多く、一度にたくさんのデータが送れる。
- 低い周波数帯域は、電波が障害物の後ろに回り込んだり貫通したりでき、遠くまで届けられ、ひとつの基地局で遠方までカバーできる。
これがそれぞれのメリット。
けれど逆に、
- 高い周波数帯域は電波が届く範囲が狭く、障害物に弱い。
- 低い周波数帯域は、高い周波数帯域に比べて送信可能なデータ量が少ない。
といった弱点もあるんです。
周波数帯域ざっくり早見表
5Gの候補に上がっている3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯は、これまで4Gで使われてきた周波数帯域よりもかなり高いので、大容量のデータ通信が可能になる!というわけですね。
実用化に向けた技術開発
大容量のデータ通信は大きなメリットですが、一方で、周波数帯域が高いほど電波が届く範囲が狭い・障害物に弱いというのも事実。
これらのデメリットを克服することが、実用化への大きなハードルだとも言われています。
ちなみにLTEじゃないほうの4GであるWiMAX2+は2.5Ghz帯ですが、それでも障害物への弱さはけっこう指摘される部分でもあります。

ですが、そこはさすが大手キャリア。電気ガス水道と並ぶインフラ企業!
3社とも、大容量超高速の5Gを多くのユーザーへ安定して届けるため、新しい技術と既存のLTE技術を組み合わせながら、実用化に向けた取り組みを進めています。
高見沢
Massive MIMO(マッシブ マイモ)
100本以上のアンテナを設置することで、ユーザーひとりひとりに専用の電波を割り当てることができる。
ビームフォーミング
電波を細く絞って、特定の方向に向けて集中的に発射する技術。基地局と端末の間の電波干渉を減らすことで、より遠くまで電波を届けられる。
ハンドオーバー
通信しながら移動しているときに、次のアンテナへ自動的に切り替えること。5Gの電波が届く範囲は4Gと比べて狭いので、アンテナをスムーズに切り替える技術がより必要に。
高見沢
混雑した場所でも快適なモバイル通信を実現
例えば、イベント会場や混雑した場所にいるときに「通信速度が遅くなった!」と感じたことはありませんか?
それは、同一エリアのアンテナや回線を使う人数が急激に増えたことで、回線がパンク状態になってしまったため。
5Gの実現によって大容量のデータ通信が可能になるということは、単純に考えると、ひとつの回線が対応できる人数が増えるということ。
高周波数帯域の「電波の範囲が狭い」「障害物に弱い」といった弱点をMassive MIMOやビームフォーミングといった技術でカバーすることで
大容量超高速の5Gモバイル通信のメリットだけを、より多くのひとに届けられるように。
人が多く集まる場所でも、いつもと変わらず快適にインターネットができるのはうれしいですね。
3.通信遅延がほぼない
スマホをつなげてのテレビ中継を観ていると、じゃっかんではありますが反応が遅れているのがわかります。
あれが通信遅延。
昔に比べればずいぶんよくなりましたが、それでもまだ気づくレベルです。
5Gがめざす遅延レベルは、まさかの
1000分の1秒以下。
ケンジ
しかも、すでに大手3キャリアの実証実験ではその条件はクリア済み。
2018年1月には、ドコモとパフュームのコラボレーションが話題を呼びました。
パフュームの3人がロンドン、ニューヨーク、東京にわかれ、それぞれの土地でパフォーマンスをおこない、それをドコモの5Gでライブ配信。
リンク先からアーカイブ映像を観ることもできますよ。
高見沢
1000分の1以下という超遅延のすごさを感じてみてッ★
自動運転には超遅延が不可欠
世界各国で研究開発が進められている自動運転ですが、ハイエンドモデルの車であっても安全装備+αといった内容におさまっているのが現状です。(レベル2)
システムが運転を主導するレベル3を実現するためには、車両のシステムとクラウドのAIが常に接続している必要があるうえ
AIが危険を察知したら、その指示がすぐに車両のシステムに反映されなければいけません。
自動車事故は、反応が1秒遅れただけでその被害は大きなものになってしまいます。
そのため、自動運転技術の実用化には遅延のないインターネット環境が不可欠なのです。
高見沢
最後に
2020年の実用化にむけ、注目を集めている5G。
4Gと比較して
- 通信スピードがかなり速い
- 一度に可能な通信量がすごく多い
- 通信遅延がほぼない
という3点について、周波数帯域の特徴や現在研究開発中の技術を紹介しながら、詳しく説明してきました。
ケンジ
高見沢